10周年記念講演のご挨拶
内容
2015-06-30
弊社アットスクールの創業10周年記念講演会にご多忙の所、保護者の皆様をはじめ草津市長様、教育、福祉、医療、行政など各機関の皆様に多数ご参加を賜りまして誠にありがたく、厚くお礼申し上げます。
ありがとうございます。
そして、ご多忙の中、記念講演会のご講演を快諾くださいました竹田先生ありがとうございます。
皆様のお蔭で、本日こうして草津市、草津市教育委員会様のご後援をいただきアットスクール創業10周年の記念講演会が開催できますことを心より感謝申し上げます。
開催にあたり、一言ご挨拶させていただきます。
かえりみますれば、ちょうど10年前の2005年6月、滋賀県産業支援プラザの2畳ほどの窓のない小さなオフィスに、机1つ、パソコン1台で、「個性とニーズに合わせた自立支援によって子どもたちの確かな学力と豊かな人間性の育成に貢献する」を理念とし、起業いたしました。
これまで挫折しそうになったことも何度かありましたが、「自分が、私たちが、できることは何か?」繰り返し、自問自答をしながらも、皆様のお力で今日まで歩ませていただくことができました。
その後、お客様も少しずつ増え、会社には机やパソコンが一台ずつ、スタッフや講師も一人ずつ増え、現在はこの草津市と大阪市に拠点を構え、スタッフ、講師を合わせ80名余りの陣容となり、微力ではございますが不登校や勉強や運動が苦手な子どもたちのサポート塾として運営できるまでになりました。
これもひとえに今日ここにお集まりの皆様方のご支援ご厚情の賜物と深く感謝いたす次第でございます。
しかし、ここまでの長き日は決して順風満帆とはいかず、中小企業の経営につきものの、資金繰りや人的なことはもちろんですが、創業当初はお問合せも少なく、家庭訪問に伺っても玄関先での相談であったり、不登校生の件では、保護者や本人の同意をいただき、学校に理解や対応をお願いしたケースでは、学校に電話しても「お宅はどなた?」と、とりあってもらえないなど、苦しいことや悔しいことも多く10年の歳月は、本当に山あり谷ありだったことを今、思い出しております。
しかし、厳しい状況の中でも皆様方の温かいご支援やご協力、それと共に社員や家族の協力によって、お陰様で創業10周年をこうして迎えることができました。
この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
創業当時、小学1年生で出会った生徒は今は高校生になり、中学生だった生徒は高校を卒業し、有意義な大学生活や社会人として活躍しています。
勉強や友だち関係が苦手で学校になじめなかった子どもたちも、運動会に参加したり、学校に復学できたり、転学して大学受験を目指すなど、逞しく成長されています。
実は、今日の講演会にも何人かの生徒が、ボランティアスタッフとして運営に協力してくれています。
最後になりますが、この10周年を記念して、この度、この本「十人十色の子どもたち~発達支援の現場から~」を出版させて頂くことになりました。
少しだけこの話をさせていただきます。
この本は、本日ご講演いただく竹田先生にもご推薦をいただき、「十人十色の子どもたち」というタイトルで大隅書店様より出版となりました。
この本では、10年にわたる奮闘の中で得た、子どもたちやご家族との出会いを通じて、子どもを支えていくために、親や教師、支援者として、それぞれの立場でできることや大切なことは何か?について考えていただける内容になっています。
本の編集に関しては、鬼のような編集長からのダメだしや様々な注文など、実はたくさんのエピソードがあるのですが、そのことはまたの機会にお話しさせていただくとして、、
一つだけ、この本の表紙に、金平糖の写真を使っていただいことについて最後に少しだけお話しさせていただきたいと思います。
「金平糖」は皆さんもよくご存じだと思いますが、作り方を知らない方は多いと思います。
1569年の戦国時代にポルトガルの宣教師が織田信長に献上したのが始まりだと言われています。
当時はとても珍しく、公家や高級武士しか口にすることが出来ない貴重な品とされ、製造法はいっさい秘密だったそうです。
まず金平糖を作る上で欠かせないのが、銅鑼(どら)と呼ばれる大きな釜です。この銅鑼(どら)と微妙に傾斜を付けた大きな釜が熱せられ、ゆっくりと回転している所へ小さなザラメを「核」として投入します。
銅鑼の傾斜と職人の釜さばきにより、ザラメは回転しながら糖蜜にくるまれていきます。
職人が糖蜜を掛けつづけて丸1日。
熱せられた釜にザラメが投入された後、「糖蜜」を全体にかけていきます。
釜の温度は80℃、1分間に2回転 ゴ-ロゴロ、ゴ-ロゴロ。
職人は、7~8分おきに柄杓でポタリポタリと蜜をかけ、棒でかき混ぜていきます。
ゴ-ロゴロ、ゴ-ロゴロ、ポタリポタリと・・・。
1日糖蜜掛けされたザラメですが、たった1mmしか大きくならないのだそうです。
小さい金平糖で最低2日、大きいものになると2週間この作業を続けることになるそうです。
その上、気温や湿度にも大きく影響される為、熟練の技が必要となります。
温度、角度、糖蜜の量などさまざまな条件を見ながら微妙に調整をして行きます。
そうしないと、ベタついて角が出なかったり、カサカサの金平糖になってしまうのです。
私は、この金平糖作りは、子育てや発達支援に通じる部分が多くあると思っています。
子どもたちも金平糖の角と同じように、色々な可能性を持っています。しかし、急ぐがあまり、釜を早く回転させれば、角は出ません。環境に合わせて温度、角度、蜜の量を微妙に調整しながら、根気よく関わっていくことで、少しずつ角が成長し、様々な色や形、(可能性を持った)甘い金平糖になっていくのです。
最後になりますが、私たちもこの金平糖作りのように、根気よく子どもたちに関わり、急がず焦らず可能性の角を大きくしていきたい。そんな思いで子どもたちの支援に関わっていきたいと思っています。
今後も社員一同、いっそうの努力をし、皆様のご愛顧、ご期待にお応えして行く所存でございますので、皆様の変わらぬご支援やご協力をいただけますようにお願い申し上げます。
平成27年6月28日
株式会社アットスクール
代表取締役 鈴木正樹
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